2019年5月11日土曜日

49 CO2排出量、削減のカギを握るのは・・・ 

 前稿に続き、CO2排出量削減問題。

★CO2は、1750年以前と比べて46%も増加している


 過去80万年ほとんど変化しなかった大気中のCO2濃度は、産業革命の頃から増加し始め、気象庁の2019年3月のデータによれば、1750年(産業革命)以前と比べて、46%も増加しているという。そしてその増加の勢いは、年々勢いを増しているというのだ。

 人類が長く生存していくためには、大気の構成要素のバランスを崩さないということが大変重要である。しかし、森林減少によりCO2排出量に見合うO2(酸素)の供給量が減少しており、この勢いが進んでいけば、そう遠くない将来(われわれの子どもや孫の世代)に危険な状態を生み出すのは間違いない、多くの研究者たちがそう警告している。
 (最近の気象の異変は、既にそれが始まっていることを感じさせる。)
 
《参考》 大気中のCO2濃度、過去80万年で最高レベル
    https://www.businessinsider.jp/post-167043


★CO2排出大国日本

    
 われわれの子や孫の世代、その先の世代に安心安全な地球を残すには、早急にCO2の排出量を抑える行動を起こすしかない。日本にはその責務がある。何しろ日本は全体量では世界5位、一人当たりでは世界4位のCO2排出大国なのである。



★CO2総排出量の17.9%が運輸部門、その元凶は・・・


 では、どこから、どう抑えていくのか。鉄道の話に戻って考える。

 世田谷線が再生エネルギーに転換することで削減できるCO2の排出量は1260トン。
 これは、日本人が出しているCO2全体のどれくらいに当たるのだろうか。

 国土交通省発表のデータを見ていく。
 それによれば、2017年度における日本のCO2の総排出は11億9000万トン。
 (前掲の2015年排出量より4300万トンも増加している・・・)
 下図は、その部門別排出量を示したものである。
 円グラフの赤で示されたところが運輸部門で、2億1300万トン、全体の17.9%を占める。


 その内訳が、次のグラフであるが、鉄道部門は最も下の黄緑色の部分。
 CO2排出量は867万トンで、割合は4.1%となっている。

 ダントツに多いのは、個人個人が使っているところの自家用乗用車で、排出量は9850万トン。運輸部門全体のほぼ半分、46.7%を占めている。鉄道の約11.3倍にもなっている。
 乗用車による輸送は年々増加しているとはいえ、鉄道の2倍強でしかない。輸送量に対してCO2排出の割合が半端なく高いということである。
 旅客一人当たりで計算すると、鉄道は1kmいくのに19gしか排出しないのに対し、自動車はその約7.3倍の137gもCO2を排出するのである。
 
 

 データを見ると、鉄道はCO2排出にかけては優等生なのである。
 その優等生が、さらに削減の努力をしているというのが、世田谷線の話なのである。

 それに比べると、自家用車に乗っている人たちは、のん気すぎるではないか。
 自家用車を利用している人たちは、自分たちがこんなにCO2を排出しているということを知っているのか。自家用車での移動は、ドアTOドアで乗り換えもなく、荷物の持ち運びも楽である。
 しかし、それを良しとして、安易に使っていることが、自分たちの子や孫や、その次の世代の生活や命をおびやかしているということに、気づかなければならない。

 ★マイカーから公共交通へ!


 車で週1回、片道5キロのところを往復して通っていたとする。
 往復10キロで1370gのCO2を排出することになる。
 これを自転車で行くことにし、それを1年間(52週間)続けるとすると、71.2kgの削減になる。 

 まず、そんなことから始めてみてはどうかと勧めたい。
 他の交通機関がある場合は、できるだけそれを利用する。
 健康で、一人で行動できる場合は、切り替えはできるはず。
 いや、しなければならない。
 
 何ができるか、一つ一つ考え、行動する仲間を増やしていこう。
 一人からでも始めるということが大事だと、グレタさんが教えてくれたのだから・・・(46稿参照)

 


 
 







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