2019年3月23日土曜日

42 沖縄の現実は、私たちの現実

 先月24日、沖縄県で辺野古基地建設に関して住民投票が行われて1カ月になる。
 沖縄の有権者数は約115万人。投票率52.5%で、そのうちの72.2%の約43万人が反対票を投じた。
 投票率52.5%の72.2%、つまり全有権者の37.5%が建設反対の意を示したということになる。
 これは、沖縄県の人々の、辺野古基地建設反対の意思を強く感じさせる数字だ。

 有権者の37.5%、これを有権者数1100万人の東京都に置き換えて考えてみよう。
 東京都の有権者数はこの3月で1132万人、沖縄県のほぼ10倍だ。
 その37.5%は、約425万人になる。
 国が進めようとする施策に、東京都民425万人が反対したという状況だと考えられる。
 
 2016年の都知事選で圧勝した小池百合子氏の得票数は291万票であった。
 このとき、小池氏を知事とすることは、都民の強い意志として受け止められたのである。
 425万人というのは、その1.46倍にあたる。
 もし、国が都に対して進めようという施策に対し、425万の都民が反対したとしたら、国はそれを強引に推し進めるだろうか。

 沖縄では、それが行われているのである。
 37.5%の県民の反対表明を、政府は意にも留めず、粛々と建設を進めるという意向を示している。
 辺野古の海の底がマヨネーズ状で、地盤改良に数年かかかるということが明らかになっていながら、計画を変えるつもりはないと公言している。

 この辺野古基地問題は、なぜかメディアがあまり取り上げないせい。
 (悪質動画投稿問題などに比較すると、信じられないほど報道が少ない。)
 そのためか、沖縄県以外では、あまり大きな問題とは認識されていない。
 しかしこれは、われわれ国民にとって大変大きな問題ではないだろうか。

 国と国民の関係、それはどうあるべきものなのか。
 それは沖縄に限らず、各都道府県の住民が考えておくべき問題だ。
 国益≠都道府県益(その地域の住民が望んでいるもの)であるとき、それは、国が一方的に、
 地域住民の望むところを無視して、国の考えるところを推し進めてもよいものだろうか。
 各都道府県民は、国がこうと決めたら、それに絶対従わなくてはならないのか。
 沖縄の状況はそうなっているのである。
 
 そしてそれは、他の都道府県民は、それはその地域の問題だからと、ほおっておいてよいのだろうか。
 沖縄の問題だからと、知らぬふりをしていてよいのだろうか。
 自分のところの話ではないから、自分たちに類が及ぶわけでないからと、知らないふりをしていてよいのか。

 外交努力をせずに、ただただ軍備を拡大していく現政府。
 アメリカの求めるままに基地をつくり、武器を買う。
 その行く手には、いくらでも類似の問題が起きてくる。
 新型ミサイル迎撃システム「イージスアショア」の配備計画、軍事研究家からは、維持体制に莫大な費用がかかるという指摘や、固定した設備であるので有効性が低いという指摘もあるものだ。予定地となっている山口県阿武町や秋田市で攻撃対象になるからとして反対運動が起きている中、政府は予定地の測量など計画を粛々と進めている。

 沖縄の現実は、私たちの現実でもある。
 沖縄の問題は、私たちの問題としなければならない。
 
 

 


 
 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿