2017年2月2日木曜日

7. 安倍さん、「立場」でなく「資格」ではないですか

トランプ大統領がテロ対策の一環でイスラム7か国の国籍保有者の入国を禁じた処理について、アメリカ国内ばかりか世界各国から非難の声が湧き上がっている。

●デブラジオ市長(ニューヨーク市長)
   我々は宗教の多様性と平等の理念を基本に築かれた国だ。
   大統領は今日、恥ずかしくも異なるメッセージを発した。
●オバマ元大統領(アメリカ)
   信仰を理由に個人を差別する考えには同意しない。
●トルドー首相(カナダ)
   迫害やテロ、そして戦争から逃れようとしている人たちへ。
   カナダ人は信仰に関係なく、あなたたちを歓迎する。多様性こそ我々の強さだ。
●メルケル首相(ドイツ)
   テロとの戦いは、人を出身や信仰でひとくくりにして疑うことを正当化しない。
●メイ首相(イギリス)
   この種の対応には同意しない。我々はそのような措置は取らない。
●オランド大統領(フランス)
   難民保護の原則を無視すれば、世界の民主主義を守ることが困難になる。

そして1月30日、国会で民主党代表蓮舫氏の質問に答えた、我が日本の首相。
トランプ大統領の発した命令について、次のように述べた。

   米政府の考えを示した示したものでコメントする立場にない。
   難民の対応は国際社会が連携していくべきだ。

支持するでもなく、反対でもない。
同盟国であり、10日後に会談を控えているという状況では、発言しにくかったのかもしれないが、はっきりと自分の考えを示した各国の首脳に比べると、曖昧で主体性のない姿勢を示してしまった。
せめて「コメントする立場にない」という言葉に続けて、
  「米国のこれまでの発展は、米国の自由と寛容性にあり、私はそれを尊敬してきた」
ぐらいのことを言って欲しかった。

さらに言えば、「コメントする立場にない」ではなく、「コメントする資格がない」というべきではなかったか。
日本は難民をほとんど受け入れていないからだ。
日本ほど難民の審査に厳しい国はなく、例えば2015年は申請者7586人に対し、認定されたのはたった27人だった。「入国管理が厳しいからこそ国の安全が得られる」として国が閉鎖的であることには合理性があるという考え方がその背景にある。もしかしたら、トランプ大統領令は「我が意を得たり」というところだったのかもしれない。

しかし、日本は今、観光立国を目指しているはずだ。
3年半後に東京オリンピックを控えて、その動きは高まっている。
観光立国の成功のポイントは、もてなし方もさることながら、心からの受け入れの姿勢であると思う。
日本の政府には「観光に来るのはいいんだけど、住むのはねえ・・・」ではなく、
「日本は住みやすい国です。どうぞ日本の文化と平和を満喫してください」と言えるような政策と対策をとって欲しい。
お金を落としてくれる観光客への、その場限りの「オ・モ・テ・ナ・シ」だけではなく。


 

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