今年、日本近海の海水温は、2年前の27℃から3℃上がって30℃に達したという。
あの広い海の水温が2年で3℃も上がるということには、いったいどういう意味があるのか。
地球レベルの気候の変化はそう急激に訪れるものではない。
1880年から2012年の132年の世界の平均気温の上昇分は0.85℃。
しかし、同じ132年の間の日本の平均気温の上昇分は1.14℃。
さらに東京では3.2℃も上昇している。
人間が多く住むところ、そして人口の密集する都市部である。
気温を押さえて来たのは、草原や森林、南極や北極、そして陸の2倍以上の面積をもつ海。
その中で、特に貢献度の高いのが海だという。
海の働き
気温上昇の原因は、CO2の増加による地球温暖化であると考えられている。
CO2は人間の産業・経済活動の発達とともに増え続け、地球温暖化は確実に進んでいると研究者たちは指摘している。
しかしこれまで、そのCO2の増加の度合いから予測された程には、大気の温度である気温は上がってこなかったという。
その理由は海。海水がその温度を吸収してきたためであるという。
代わりに、海水温がじわじわと上昇してきたのだというのである。
昔、夏の夕方の海岸は涼しかった。
太陽で熱せられた空気が、海水温で冷やされて温度が下がるからである。
まさに水冷式、天然のラジエターである。
しかし30℃になってしまった海では、30℃以下には冷やせない。
海が熱を吸収しくれなくなったとき、大気の温度は急速に上がっていくだろう。
もしかすると、もうそういう段階にまで来たのかもしれない。
次々に更新される各地の最高気温、その報道を見ているとそんな心配が湧き上がってくる。
エアコンで暑さ対策しているだけでよいのか
この暑さに対し世の中は、熱中症をどう予防するかしか問題にしていないように見える。
TVニュース、ワイドショー、それに新聞ではエアコンの使用を勧める。
寝るときには寒いぐらいに温度を下げ、冬の布団をかけろとまで言うアドバイザーまで登場する。
しかしエアコンをつければ、熱い空気が室外機から排出されるのだ。
暑い大気を、もっと暑くしてしまうことになる。
(我が家のエアコンを30℃設定で稼働させた時、排気された空気は38~39℃だった。)
私たちは、ただ、この暑さをどうしのぐのかということだけ考えていてよいのか。
この暑さを押さえるためににはどうするかを考え、行動しなければならないのではないか。
ここ2.3日涼しかったが、明日からまた暑さがぶり返すと夕方のTVニュースが報じていた。
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