プラごみ受け入れ国からの怒りの声
米国、カナダ、日本、オーストラリアなどから汚染プラごみを送り付けられたマレーシアやフィリピンから、怒りの声が上がった。
プラごみの中には、おむつなどの生活ごみまで入っていたという。フィリピンやマレーシアは、汚染プラごみを国々に送り返すと言っている。当然だろう。
送ったのは業者であって国ではないと突っぱねていたカナダは、フィリピンのドゥテルテ大統領からの強い抗議を受けて引き取りを受け入れるとともに、6月末に2021年までに使い捨てプラスティックを禁止すると発表した。
では日本はどうする?
日本は世界第2のプラごみ大国だ。(1位はもちろんアメリカ)
国連環境計画(UNEP)の報告によれば、日本が1年間に出すプラごみは一人あたり32㎏、全体量にして約400万トンである。リサイクル率84%(残りは焼却)と言いながら、そのうちの半分は他国への輸出だった。
2016年度の日本のプラごみ輸出量は約153万トン。そのうちの約80万トンを中国、約50万トンを香港に輸出している。香港は最終的に中国に輸出しているので、合計130万トン、つまりプラごみの85%を中国に輸出していたと言ってよい。
中国は世界から1500万トンの廃プラスチックを輸入し、ペレットにしたのち衣類などに加工していたのだが、廃プラの中に汚染ゴミが混入していてリサイクルの過程で環境汚染が深刻化したため、2017年12月末に外国ごみの輸入を禁止した。そして、中国に代わってプラごみ受け入れ国となったのがフィリピンやマレーシアなど東南アジアの国々だった。
その国々から抗議の声が上がったのだ。
日本はどうする?
プラごみ輸出大国から、そして、そもそものプラごみ大国からどう脱却するのか?
レジ袋有料化
日本は2020年から、プラ製レジ袋の有償化の方針を出した。
6月3日に環境省が、無償配布を法令で禁止する考えを発表し、6月15日に経済産業省が来年4月1日からレジ袋有料義務化の実施をめざすと表明した。
なんと控えめな対策・・・
日本で1年間に使われるレジ袋は、重さにして30万2千トンという。
プラごみ全体量400万トンの7.5%に過ぎない。
しかも禁止ではなく、有料化。どれほど減らすことができるのか。
ペットボトルを町中の自動販売機で売り、
ファストフード店やスーパーでは使い捨て容器が氾濫し、
野菜や果物などの生鮮食品までプラスチック包装する日本だ。
もっと根本的な対策を取る必要がある。
少なくともその方向を出してほしかった。
プラごみをつくらぬために、製造・流通の方法への新しい知恵が必要だと思う。
自然に帰る包装材もこれからの研究課題になるだろう。
そうした研究は、新しい産業の発展にきっとつながっていくはずだ。
もっと国を挙げての積極的な対策が取られることを期待したい。
とりあえず我が家は脱レジ袋、脱ペットボトル。マイバッグ、米ボトル持参の生活。
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もちろん、レジ袋有料化はやらないよりはやった方がよい。
CO2削減にもつながるのだから。
世論調査では「レジ袋が有料になったらもらわない」という人の割合は70%であるという。
1年間に使われるレジ袋の枚数は、最も多く使われているLサイズの袋(6.8g)に換算すると、なんと500億枚くらいになる。
もしこの対策で、レジ袋使用が70%減になるとしたら、350億枚減らせることになる。
CO2排出量は33g/1枚なので、35,000,000,000×33=1,155,000,000,000(g)
つまり、1,155,000トン削減できる。
(これは、東急世田谷線が自然エネルギー化で1年間に減らす量1263トンの915倍)
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