2018年5月31日木曜日

30 清瀬市では子どもが産めなくなりました

 JADECの事務所は埼玉県新座市にあるが、市の端っこにあり、生活圏は10分歩けば繁華街に出られる清瀬市と東久留米市である。そして私には坂がない清瀬市の方がより身近な存在だ。
 家人も、市民活動を新座市ではなく清瀬市で展開している。

 清瀬市は、地図上では東京都の中ほどよりやや東、その最北端に位置し、埼玉県の所沢市と新座市に挟まれている。利用できる鉄道は西武池袋線で、池袋から約30分、清瀬駅で降りる。南と北の駅前ロータリーからはそれぞれ数路線のバスが、1時間数本ずつ出ており、都会とは言えないが、辺鄙でもない郊外の町で、人口は約7万5千人。

 その清瀬市では、昨年の8月から、子どもが産めなくなった。
 それまで唯一出産ができる病院であった駅前の産婦人科病院が閉院したからである。助産師のいる産院はいくつかあるが、集中治療室(NICU)を備えた新生児の救急対応ができる産院はない。
 つい先ごろの市民活動の集会で、双子の出産を控えた娘がいるという人が、市内では子どもが産めないと悲痛な訴えをしていた。双子は早産になる可能性が高いので、新生児の救急対応が可能な施設でないと受け入れてもらえないという。
 以前、清瀬市には都立の小児病院があったのだが、2010年府中市に移転して以来、NICUがあり新生児の救急対応応じられる小児科もなくなったのである。

★病院はたくさんあるが・・・

 以前結核療養所のあった清瀬市は病院の多いところで、清瀬駅の南側一帯は知る人ぞ知るの病院団地状態だ。国立病院機構東京病院を始めとして、救世軍清瀬病院、複十字病院、親愛病院、都共済清瀬病院等が並び立っている。しかし、そのどこにも分娩のできる産婦人科はないのだ。

 この事態は、すでに9か月続いている。
 市議会で、共産党議員がこの問題を取り上げて、その対処について質問したが、市の対応は「医師会と相談してみる」程度ののんびりした対応だ。4月末の市民集会で窮状を訴えるほどであるから、対応は進んでいないと見える。

 ちなみに新座市の場合も調べてみたが、出産できる医院は3か所ほどあったが、NICUがあるびょういんはゼロだった。2つ隣りの和光市にある国立病院機構埼玉病院に、つい最近やっとできたということがわかった。

★ドラマ「コウノドリ」に見る産科医療現場の過酷な実態

 昨年10月~12月TBSで「コウノドリ」という、病院の産婦人科を舞台としたドラマが放映された。
 2015年に続く第2シリーズで、医療関係者と患者との関係、夫婦・親子のあり方、そして「命」が生まれる軌跡をテーマにしたものである。
 主人公のモデルは実在の産婦人科医師、実際の病院を取材しj事実に基づいて作成されたものであって、毎回生まれたばかりの赤ちゃんも登場するという、内容も描写も本当にリアルなものだった。
 このドラマの中では、産科医療医療の従事者が働く過酷な環境についても描かれている。深夜勤務も多く、家にも帰れない医師たちの働きすぎの状況や、一歩誤れば訴訟というような危機もある。ドラマでは、みんなの頑張りで何とか乗り越えていくのであるが、実際には、それに耐えきれず閉鎖していく産科医院も多い。
 昨年11月、日本産婦人科学会は「深刻な人手不足の恐れ」という報告を発表している。医師不足
で運営できなくなる恐れのある施設は、高度医療を提供できる施設の約70%、一般参加病院でも半数に上るという。

★求められる国の対策
 
 国はこうした状況にどう対処するのか。
 国は少子化対策を重要課題として挙げている。
 子育て支援、女性活躍社会も重要課題とし、待機児童ゼロ、教育費の無償化を重要政策とした。
   高校学校はすでに無償化がスタートし、幼児教育の無償化も2019年度からスタートするようだ。
 教育無償化に反対する気はさらさらない。
 しかし、子どもを産むまで、そして産んでから学校に上げるまでのところに対しての対策が、あまりにも手薄ではないのか。
 というより、まるで無策だというべきかもしれない。
 どちらかと言えば、教育をタダにするというより、まず、こどもを安心して産める環境、育てる環境を作る方が先ではないのかと思う。
 子どもが産めなければ、幼稚園に行かせることも、学校には行かせることもできないのだから・・・ 

 安心して子どもを産めるような病院をつくるのが先ではなかったのか?
 そしてそこで、産科医師たちが安心して働ける体制をつくるのが先ではなかったのか?
 学生たちが、参加医師をめざして勉強しようと意欲を出す環境をつくるのが先ではなかったのか?
 安心して子どもを預け、 親がしっかり働いて、もう一人子どもを産みたいという気持ちになるような環境をつくることを努力することが、先ではなかったのか。

 森友学園、加計学園をつくる努力をする前に・・・

 
 



 
 
 

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