2018年11月3日土曜日

《 投稿一覧 1~36 》

【2018年】
 36 もしも首相官邸に米軍機が落ちたら(11月)
 35 埼玉の空はアメリカ?(11月)
 34 日米地位協定、やっと日本全体の問題になった ( 8月) 
 33 私の住む町にオスプレイが飛んできました (8月)
 32 翁長さんの目 (8月)
 31 もっと重大な問題があるのに・・・  (8月)
 30 清瀬市では子どもが産めなくなりました (5月)
 29 或る日の新聞 (4月)
 28 適材適所 (2月)
 27 どこかの国に似ている―ファシズムの初期兆候 (2月)
 26 我が家の電気、再エネに替えました (1月)
 25 送電線は空いている・・・  (1月)
 24 英原発の日本政府保証1兆円 (1月)
 23 小泉さんと一緒に原発ゼロ運動 ( 1月) 

【2017年】
 22  Jアラートが発動された日 (9月)
 21  原発は時代遅れ―世界に逆行する日本 (8月)
 20 支持率回復―仕事ぶりを見なくてよいのか (8月)
 19 共謀罪、対象とする罪はとは? (8月)
 18 「共謀罪法」成立!! (8月)
 17 「失われつつある沖縄の自然」写真展 (6月)
 16 憲法違反ではないかと思うこと (5月)
 15 憲法97、98、99条 (5月)
 14 食品ロスをなくせ (5月)
 13 書類の保存について (4月)
 12 桜が咲かなくなる日 (4月)
 11 新お役所仕事考 (4月)
 10 「所領安堵」と「いざ鎌倉」 (2月)
  9 2月11日 その2 (2月)
  8 2月11日 (2月) 
  7 「立場」じゃなく「資格」じゃないですか (2月)
  6 自由の女神は何を思うか (2月)

【2016年】 
  5 新座発、東京大停電 (10月) 
  4 もし、私の住む町が沖縄だったら (10月)
  3 「断じて許さない!」でよいのか (9月) 
  2 首相の言い分 (9月) 
  1 安倍さん、国民の1票は白紙委任ではありません (9月)


 

36 もしも首相官邸に米軍機が落ちたら

 事務所の窓から時折、横田基地の方角から都心に向かって飛んでいくヘリコプターを見かけます。いつも昼少し前です。日米合同委員会が月2回開催されており、六本木にあるヘリポート(これも米軍基地です)に、在日米軍の高官を乗せていくそうなので、そのヘリコプターではないかと思いながら見ています。
 このヘリが、万一整備不良か何かでコントロールを失い、六本木から目と鼻の先の首相官邸(永田町)に落ちたら、どうなるのでしょうか。

 まさか首相官邸に米軍機が落ちるなんてことは、とお思いでしょうか。
 ありえないとは言い切れません。
 飛んでいるものなのだから、絶対に落ちないとは言えない。
 万が一のことを考えて、そういうときにもきちんと対応できる体制を整えておくのが、国を預かる者の使命、つまり政府の仕事です。


 過去の事例から考えると・・・


 2004年、沖縄国際大学に米軍ヘリが落ちました。大学側の死傷者はありませんでしたが、電話やインターネットの回線は切られ、接触した1号館は損傷、周辺の木々も焼けました。このとき、米軍は消火直後に現場を封鎖、6日後に機体を搬出するまで、大学の関係者どころか、消防・警察・行政の関係者の立ち入りを一切禁じました。
 県知事は上京し、日本政府に対応を求めましたが、米軍に対する具体的な働きかけはなかったそうです。結局、事故機の乗員の使命も明らかにされず、起訴はされたものの、全容は解明されず、その責任を問うこともできませんでした。
 その後大学は、1号館を取り壊し、建て直したそうです。

 もし首相官邸で同様のことが起きたら、米軍は首相官邸を封鎖するのでしょうか。
 政府関係者を始めとして、消防も警察も立ち入りを禁じられるのでしょうか。
 それを関係者は唯々諾々として受け入れるのでしょうか。
 その場合、首相官邸は米軍に乗っ取られたのと同様の状態になり、機能不全に陥ります。
 このことに日本の政府関係者は気づいているのでしょうか。

 まさか、米軍はそんなことはしないだろうと思うかもしれませんが、現在の日米間の取り決めでは、米軍がそう主張すれば断れないと言います。日本の主権を守る法整備がきちんとできていないのです。
 米軍が事故を起こした際に、現場を封鎖するのは、それが日米協定によって許されているからです。事故の検証ができないのは、「軍事機密」ということで、米軍にはそれを明らかにする義務はない、ということも決められているのです。


 米軍のやりたい放題、止められないのか


 沖縄国際大学の事故後、米軍の対応が大きな批判を浴び、事故現場の保全管理・情報交換について、日米合同委員会でガイドラインを作成したといいます。しかし、その後の事故における状況を見ると、そのガイドラインが、逆に米軍に現場占領の根拠を与えた結果になっているという指摘があります。
 日米合同委員会というのは、米軍人と各省庁の官房長、局長クラスの官僚からなるもので、在日米軍に関する取り決めをする実務者会議のことです。メンバーがどのように選ばれるのかはわかりませんが、軍事には疎い官僚たちが、米軍人たちに主導権を握られて、米軍のやりたい放題を生み出していることは間違いないようです。

 オスプレイが横田基地に正式配備された10月以降、首都圏の危険性は大幅に増大しました、何しろオスプレイの事故率は、他の機種の41倍だというのですから。
 首相官邸でなくても、六本木周辺には重要な施設があります。重要施設でなくても、民間の住宅であっても同じです。また、六本木周辺でなくても他の地域でも同じです。
 万が一にでも事故があったら、政府は米軍に対して毅然とした態度をとれるよう、きちんと法整備しておいてほしい。想定外だったなどと、オタオタしてもらっては困ります。
 国内の日本国民を守れずして、安全保障などと言ってもらいたくありません。

 本当に、この状況は変えられないのでしょうか。
 日本はアメリカに守ってもらっているのだからと、我慢しなくてはならないのでしょうか。


 アメリカ公文書では、日本の防衛は“日本の責任”


 アメリカが駐留しているのは日本の防衛のため、と多くの日本人は考えています。
 しかし、それはどうも違うようなのです。

 国際ジャーナリストの春名幹男氏や、沖縄国際大学大学院の前泊博盛教授らのアメリカの公文書調査により、そのことがだんだんはっきりしてきました。
 秘密主義の日本と違って、情報公開の進んでいるアメリカでは、時期が来ると公文書をきちんと公開します。それらを調査すると、その内容は日本政府が説明してきたこととは、だいぶ違っているというのです。
 
 公開された1971年のアメリカの機密文書には、
 「在日米軍は日本を守るためには駐留してはいない。日本の防衛は、日本の責任である」
との記述があるといいます。

 また、安保法制決議の根拠となった2015年の日米新ガイドラインの原文には、
 「日本の防衛には自衛隊が主たる責任(Primary responsiblity)を持つ」
 つまり、日本が武力攻撃を受けた際、責任をもって防衛をするのは自衛隊である、と明記されているそうです。米軍の任務は「あくまで自衛隊を補足するのみ」と書かれており、しかもそこに「かもしれない」という意味の「may」という単語を使っているそうです。
 その原文を外務省は、積極的に日本防衛にかかわるという印象が強くなるよう、随所を作為的に翻訳していると春名氏は指摘し、その理由は、安保法制を可決しやすくするためであったと推測しています。


 米軍が日本に駐留している理由


 確かに、駐留する米軍には、日本を積極的に守るという姿勢は感じられません。本当に日本を守るということなら、もっと日本人の尊厳を守ってしかるべきですから。

 では、積極的に日本を守るという意思がないのなら、米軍は何のために日本に駐留しているのでしょうか。日本に住むアメリカ人、リラン・バクレー氏が作った映画「ザ・思いやりⅡ」の中に、その一端が見えます。

 バクレー氏が青森県の三沢基地で取材した爆撃機のパイロットは、シリアから帰ってきたところだと答えています。ちょうどシリア攻撃があったころです。日本は、米軍の世界戦略の前線基地になっていると、氏は訴えているように思います。「日本人よ、早く気づきなさいよ」と。

 私たちは、「アメリカが守ってくれている」という思い込み(願望?)を捨てて、もっと事実に目を向ける必要があります。
 その事実をもとに、しっかりとアメリカに向かう姿勢を示す必要があると思います。







  

2018年11月2日金曜日

35 埼玉の空はアメリカ?

 JADECの以前の事務所は大きな建物の1階にあったので、空というものをあまり意識したことがありませんでした。今の事務所はマンションの6階、周りはまだ畑の残る低層住宅地なので、窓を開けると目の前にはおおきな空が広がっています。毎朝窓を開けたとき、空の色や流れる雲、遠くに見える木々の緑やその変化を見ることが楽しく、仕事の合間にも窓の外を眺めることが多くなりました。かなたには、都心の高層ビルやスカイツリーも見えるのです。

 しばらくして、よく小型飛行機やヘリコプターが飛んでいることに気がつきました。複数機が編隊を組んで飛んでいくこともあります。形から見てどうも普通の飛行機ではない。軍用機のようなのです。入間基地(自衛隊)も近いしな、訓練でもしているのかななどと思い、さして気にもしていなかったのですが、それはとんでもない事実を示していたのでした。
 「ボーっと生きてんじゃないよ!!」と叱られそう・・・


横田空域


 JADECの事務所にある新座市の上空は、いわゆる“横田空域”というやつです。
 横田基地に駐留する米空軍の管制下にある空域で、東京都の3/4程と、神奈川・山梨・埼玉・群馬の上空のほとんど、そして静岡県・長野県・新潟県の一部を占める広大な空域です。
 (東京都の場合、上板橋駅―中野駅―等々力駅を結ぶ線より西側全部の上空がこの空域に入ります。)

 
 航空機の飛ぶ空間ですから、横田空域は平面的なものではなく、高さもあります。それをイメージ化したものが次の図です。
 
 
 民間の航空路は、この空域を侵さぬように設定されています。
 不測の事態が起きて、この空間を飛ばなければならない状況になった時には、米空軍管制部の許可を得て飛ぶことになります。しかし、米空軍と日本の管制本部とは無線の周波数が異なるため、その切り替えを行わなければなりません。魔の時間帯である離陸直後、着陸直前、そして危険な状況下における余計な操作は負担になるといいます。
 
 

日本の空を自由に飛ぶ米軍

 
 一方、米軍機はこの空域をいつでもどんな高さでも自由に飛べます。
 
 日本の航空法上では、飛行の最低高度基準は人口密集地300m、その他の地域150mとなっていますが、米軍はそれを無視して飛んでいるのが現実です。60mほどの低空飛行もたびたび報告されています。沖縄はその最たるものですが、ここ新座でもその一端を見ました。
  (33.私の町にオスプレイが来ました 参照)
 
 米国でも日本の航空法と同様の法律があります。米軍は、自国ではそれを守って飛んでいるそうです。沖縄でも、米軍宿舎の上空は飛ばないそうです。
 それなのに、日本国民の居住地域や学校の上空を、平然と低空で飛ぶ。夜間でも飛ぶ。日本国民の安全を考慮していない、というより人間扱いしていないようにさえ思います。
 それに対して、日本政府は文句が言えない、断れない。飛行の高さや時間帯を制限することができない。
 それを許しているのが、日米地位協定です。
 
 横田空域(沖縄を始め、岩国、三沢といった米軍基地の周辺にも、横田空域同様にこうした米軍の管制下にある空域が存在します。
 米軍は自由に使えるが、日本は米軍の許可がなければ使えない。
 日本の空でありながら日本の空ではない、それを決めているのが日米地位協定です。
 
 

羽田新航路を認めない米軍

 
 2020年の東京オリンピックに向けて、羽田空港の発着枠を拡大すべく、新航路の準備が進んでいます。しかし、ここに至って、横田空域の一部をかすめるこの新航路を米軍が認められないと言ってきました。日本政府はさぞ困っていることでしょう。
 
 実際のところ私は、東京の住宅密集地や繁華街の上空を低空で飛ぶことになる新航路には反対です。しかし、その案の撤回の理由は、日本国民が主体的に検討した結果であるべきだと思います。
 
 

これこそ戦後レジーム

 
 首都圏の上空を他国が支配する、これはまさに占領下にあると言ってもおかしくない状況です。
 これこそまさに戦後レジームだと思います。
 国の主権はいったいどこにあるのでしょう。
 戦後レジームからの脱却を声高に主張する彼の人は、このことをどう思っているのでしょうか。
 日本の主権を守るべき、日米地位協定を変えて行く。憲法改正より、その方が先ではないでしょうか。
 
 
 「そうはいっても、日本はアメリカに守ってもらっているんだから、しかたがないんじゃないの」
と考える人が多いかと思います。しかし、それはどうも違うらしいのです。
 アメリカの公文書の調査から、それがわかってきました。
 
 (以下、次稿)