2020年1月15日水曜日

59 首相の思いをじゃましているのは誰?


「どの国にとってもwinwin、そして未来に向けて持続可能な成長軌道をつくる。
 私の思いはその一点でありました。」
昨年6月末に開催されたG20大阪サミットの最終日、安倍首相は確かそう語った。

「戦争は対話で解決できる」
内戦終結の功績を評価され、2016年にノーベル平和賞を受賞したコロンビアのサントス大統領の言葉である。
外交の基本は対話だと言っているのである。
それは戦争さえ解決する力を持っている、と言っているのである。
対話により、お互いにwinwinの関係をどう引き出し提案していくかが、外交の仕事なのである。

新年早々に起きた、アメリカによるイラン革命防衛隊司令官殺害に始まるイランと米国との緊張関係。これに対する国際社会の反応は・・・
EUのフォン・デン・アライン委員長は、イランとの緊張関係への懸念を述べ「兵器の使用を直ちにやめ、対話を始めるべきだ」と語った。
中国は外交を統括する政治局委員がアメリカに自制を求めた。
そして国連のグテーレス事務総長は、「戦争を避けることは我々の共通した責務だ」と両国に対して自制を促した。

しかし今日まで、日本の外務省そして安倍首相のこの問題に対するきちんとした姿勢表明はない。
アメリカとイランに対して自制も求めていない。
(ぶら下がりの記者団に対して、日本の立場と対応について説明はしたようだが。)

安倍首相は、現在、サウジを始めとする各国を訪問して日本の立場を説明しているらしい。
それは石油の安定供給のための、自国ファースト的外交にしか見えない。
国際平和、国際協調という理念に対する、日本の確固たる姿勢を表現していないからだ。

米国のトランプ大統領とのお友だち関係を誇示する安倍首相。
そして、イランとは長年の友好関係を築いている日本。
昨年は、首相がイランを訪問し、またロウハニ大統領が日本を訪れた。
すでに、平和をどのように維持していくかが模索されていてしかるべきである。
外交に強いと評価され、また首相自身も自負している外交である。
その強い外交力をこの時点でなぜ発揮しないのか。

昨年の徴用工問題に発する日韓の関係は、winwinどころか互いに攻撃的政策を仕掛け合い、ケンカのようだった。
韓国が折れてきているのに、日本はまだ歩み寄る姿勢を見せようとはしない。

韓国、イラン、アメリカ、中国・・・
首相が望む「どの国にとってもwinwin」の、「どの国」とは、一体どの国なのだろうか。
「どの国にとってもwinwin」というのは単なる言葉の綾だったのか?
それとも、首相の思いをじゃましている誰かがいるのだろうか?










58 「輝いた」のではなく「恥をかいた」

世界報道写真展で


昨年12月21日、日本橋三越本店で開催された世界報道写真展を訪れた安倍首相は、
 「今年は日本が世界の真ん中で輝いた年になった」
と述べた。同展で展示されていたG20首脳会議の写真パネルにサインした後である。
居並ぶ首脳たちの中央で、トランプ首相と習近平主席の間に位置した自分の姿から、こういう言葉が出てきたのだろうか。




しかし、日本は議長国だったのだから、真ん中に座るのは当たり前の話。
G20首脳会議の議長は持ち回りでやっているのだから、単に順番が来ただけの話だ。
来年は韓国が議長国なので、文在寅大統領が中央に座ることだろう。


国際社会への貢献、記憶をたどったが・・・


昨年日本は、国際社会でどのような働きをしただろうか。
「世界の真ん中で輝いた」というほど、国として世界に貢献したことがあったか・・・
残念ながら、記憶に残っているものがなかった。
韓国との確執は、強気一辺倒で改善する姿勢は見せず、
東アジアの地勢を危うくしているし、双方の国の経済もおびやかしている。
ロシアとの関係では、経済協力も、北方領土問題もさして進展していない。
アメリカとの関係は、トランプの顔色をうかがっているばかり。
日米地位協定では未だ占領下のような屈辱的関係だし、貿易交渉でもアメリカに押されている。
アメリカとの関係改善を狙ったイラン訪問も、空振りに終わった。


個人のレベルでは・・・


個人のレベルでは、世界的に称えられた人々がいる。
2018年の全米オープンに続き、全豪オープンで優勝した大坂なおみ選手。
初出場で全英オープンゴルフを制した渋野日名子選手。
28年の選手生活にピリオドを打ったイチロー選手。ひたむきに野球に向き合ったその姿は人々の心を打った。

逆境を乗り越え、2019年の世界的大会で史上最高の11勝を挙げたバドミントンの桃田選手も賞賛に値する。
世界2位の強豪を倒しベスト8へと進んだラグビー日本チーム。様々な国の選手が心を通わせワンチームとなって闘う姿が感動を呼んだ。将来の国のあり方をも考えさせられた。

ノーベル賞は途切れなかった。企業の中で研究し続けた吉野彰さん、リチウム電池でノーベル化学賞を受賞した。
そして忘れてはならないのは、アフガニスタンで30年以上も人道支援活動を続け、12月4日に銃撃され亡くなった中村哲さん。世界各国の公的機関や報道機関がその死を悼み、メッセージを寄せた。アフガニスタンの人々は中村さんを英雄と称え、大統領は棺を担いだ。

どれも称えられたのは努力した個人個人であって、日本という国ではない。
唯一、国として今年日本が世界で注目され称えられたのは、各国の王族や首脳を招いて行われた天皇の代替わりの行事。しかし、ここでも注目されたのは、1000年守り続けられた日本の文化と伝統であって、現在の日本が国際社会に貢献している内容や姿勢ではない。



2019年、日本が世界で評価されたことは・・・


日本が2019年、国際社会に貢献した内容を評価されたもので、もっとも顕著なものは2回の“
化石賞”だ。
12月2日から2週間にわたって開催されたCOP(国連気候変動枠組条約第25回締約国会議)で受賞したもので、地球温暖化対策に対して消極的な国に送られるもので、地球の現状に対する認識不足と、環境を破壊して人々を危険にさらしているというレッテルを貼られたのである。

化石賞の1回目は「石炭火力発電を選択肢として残したい」との梶山経済産業相の発言に対して、2回目は脱石炭に対して言及がなかった小泉環境相の演説に対して贈られた。

日本は世界の真ん中で「輝いた」のではなく、「恥をかいた」のだ。












2020年1月9日木曜日

57 桜は何も語らないが・・・

「桜を見る会」における疑惑の数々。
核心には至らず、臨時国会は閉幕してしまった。
年が明けたが、怒りは収まらない。

野党は敵失ばかり取り上げて大騒ぎをする、などという声が聞こえる。
もっと重大な問題があるのだから、早く収拾させるべきだという意見もある。
しかし、これは小さなことなのか。

確かに重要な問題が山積みだ。
「桜を見る会」に関する質問は確かに多かった。そして討議は長引いた。
しかし長引いたのは、内閣が野党の質問にまともに答えないからではないのか。
首相は、問題が起きたときいつも、丁寧に説明をしていくと語る。
しかし、いざそのときになると、「お答えは差し控えさせていただく」と言うのだ。
「丁寧な説明」とは、「お答えを差し控えさせていただく」ということを「丁寧に」言うことなのか。

国民の血税を「私」の政治活動に有利になるように使う。
公の行事に「反社会勢力の人」を呼ぶ。
(呼ぶというのは何らかの関係があるということを示している。)

誰を呼んだかは、個人情報だから出せない?
とぼけたことを言うな。
われわれ国民から吸い上げた税金を使って、飲み食いしている会ではないか。
そこにどんな人を呼んだのか、国民が知りたいと言っているのだ。
国民には知る権利がある。
それに呼ばれた人々は大喜びで自分からネットに情報発信していた。
当の「反社会勢力の人」は、首相から桜の会に呼ばれたことことを誇示して、詐欺活動を展開していた。
(その一事だけでも、国民に、被害者たちに詫びるべきだ。)
こんな内閣に国民は代表されているのかと思うと、怒りがたぎってくる。

呼んだことを秘密にしておきたいというのは、どういうことなのか?
呼んだ人を公表しないのは、呼ばれた人の都合というより、呼んだ側に都合が悪いことがあるからだ。
公表しないということは、なにか後ろ暗いことがあるということだ。
政治を私する、こんな内閣に国民は代表されているのかと思うと、怒りがたぎってくる。

桜自身は何も語らないが、「桜を見る会」をめぐるの出来事は、実に多くのことを語ってくれた。
私たちはこの怒りの感情を忘れてはいけない。
そして政治を正す行動につなげて行かなくてはならない。

もうすぐ、通常国会が始まる・・・





2019年8月19日月曜日

56 子どもたちに教えられた本当の民主主義

国民はイライラしている


国会ではなぜキチンと話し合いができないのか。
多くの国民がいら立ちを持ってみている。
それぞれの主張を言い張るばかり、相手のミスをあげつらうばかりで、歩み寄ることをしない。
それを修正するための対案を出さない。

意見が割れたときは、絶対といってよいほど合意には至らない。
意見が割れたまま、多数を握る者たちが、強引に採決に至る。

合意できない理由はいつも相手のせいだ。
自分たちの案を取り入れないと非難しておきながら、
取り入れると変節だと責め立てる。
反対することにこそ意味がある、と言わんばかりである。

しかし、よく考えてみると・・・


われわれ自身にもそうしたところが多々ある。
戦後日本は、戦前の体制を反省し民主主義の形成に力を入れてきた。
学校では学級会や生徒会の場を使い、民主主義による合意形成の方法を指導してきた。
だがその実態は、ほとんどが「民主主義=多数決」という一義的なもの。
主張された複数の異なる意見について決をとり、
多数を得たものが全面的に場をしきるという形で終わる。

意見をすり合わせるとか、少数意見を取り込むという経験をしてきていない。
そういう教育を受けてきた、そういう行動経験しかしてきていない国会議員たちが、
いまの国会の状況を生み出しているとも言えるだろう。
協力しないのではなく、協力できない。
協力して課題に立ち向かうという行動体質そのものが育っていないのである。

民主主義の本質


民主主義は「いかに多くの人の心を寄り添わせるか」というところに、その真髄がある。
「小異を捨てて大同につく」、そのうえで「大同の中にいかに小異を残すか」ということである。
目指すところは同じでも、そこの迫るための考え方・方法論はさまざまだ。
それを闘わせるが、譲れるところは譲り、歩み寄り、合意形成をしていくのが民主主義である。
どうしたら、その方向に向かうことができるのだろうか。

ここで思い出したのは・・・


「私たちの学校」という60年前の映画。
水海道小学校(茨城県水海道市)の自治活動を描いたものである。
水海道小学校の子どもたち自らが演じてエピソードを再現する形で製作された。

当時水海道小学校では10の自治活動の部があり、映画はその中の体育部の活動を中心に描く。
ある年の運動会、プログラムを決める際に、希望する種目がかち合ってしまって起こる学年の対立と、体育部と児童会がそれを解決するまでの活動が描かれている。

水海道小学校では、運動会の企画運営一切が体育部に任されていた。
この対立の解決のための活動も、教師はわずかばかりの助言はするが、
ほとんどは児童主体で進められた。

体育部員たちは双方の学年のクラスごとに主張を聞きに行き、それをもとに協議する。
その結果、上の学年に対し、希望する種目を下の学年に譲ってくれないかと交渉するのである。
そして譲る代わりに、上の学年に対して新しい魅力的な種目を提案する。
上の学年は、了承し運動会のプログラムは全クラスの賛同を得て無事成立する。
背景にあるのは、共通の目標のためにそれぞれが譲り合う姿勢。
より力のあるものが多く譲り、弱いものを守るという基本姿勢である。

この映画の中で描かれた子どもたちの行動、
合意形成のために意見を集約し、アイディアを出し合い協議し、提案し交渉するという姿は、
民主主義とかこういうものかと実感するよい手本だ。
これからの日本築いていく子どもたちには、
ぜひこうした行動のしかたを身につけてもらいたいと思う。

遠回りかもしれないが、本当の民主主義を育てるには、
教育の場におけるこうした活動を積み重ねていくことが必要なのではないかと思う。


      ◆   ◆   ◆   ◆   ◆


実はこの稿、今から8年前のJADECの機関紙(JADECニュース85号)に書いたものを
少しばかり手直ししたものである。

当時は東日本大震災からの7か月後、民主党政権の時代。自民党が野党であった。
国会では、どのように復興を進めて行くか、
ということで議論が展開されていたのであるが、それがなかなかまとまらない。
その状況に対して思うところを書いたものである。

圧倒的多数ではなかった民主党政権は、自公が反対すると何も決められなかった。
与野党が逆転した今、こんどは相次ぐ合意なき強行採決。
やはり議論は成立してはいない。

8年後の今、この稿が今の国会の状況について書いたもの、
と言ってもほとんど違和感がないことに、暗たんたる思いである。

7月21日の参議院選挙の結果、多少議席は減らしたとはいえ、
自公政権の態勢は変わらず続くことが明らかになった。
国会の体質は、内側からは変わる可能性は小さいということだ。
となると、変えるのは外の力。
私たち国民の力以外にないということである。



 




















2019年6月27日木曜日

55 どうする、“プラごみ大国”日本! ②

前項に続いてプラごみ対策問題。
今回は、その国際動向を調べてみた。
プラごみ輸出の問題もあるが、特に大きな問題となっているのは「海洋プラスチック汚染」。
捨てられたプラスチックが海の生態系をおびやかしているという問題で、地球レベルで早急に考えなくてはならない状況として認識されている。

▼2015年9月/国連SDGs

 SDGs(持続可能な開発目標)は、世界が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標で、国連が2015年9月「持続可能な開発サミット」で採択したものである。
 その14番目が海洋と海洋資源の保全、「海の豊かさを守ろう」である。
「2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」としている。
 この SDGsを採択した加盟国193か国には、日本も含まれている。

 

 

▼2016年1月/ダボス会議

「プラスチックごみによる海洋汚染」が、地球環境に及ぼす特に重大な問題として国際的な共通認識になったのは、2016年1月にスイスのジュネーブで開催されたダボス会議での、エレン・マッカーサー財団の報告だったようだ。
財団は「世界の海洋には毎年500万~1300万トンのプラスチックごみが流入し、生態系をおびやかしている」「海水中に含まれるプラスチックごみの量は2050年には、海に生息する魚の重量よりも重くなる」との推計結果を報告したのである。
この会議には、日本から甘利、塩崎、河野の3大臣と日銀の黒田総裁が参加していた。

*エレン・マッカーサー財団
 循環型経済の推進を活動目標とするイギリスの財団。
 2005年にヨットの世界1周単独航海の世界記録を打ち立てたエレン・マッカーサー氏が設立。
    

▼2017年6月/国連海洋会議

初の国連海洋会議が開催され、国や企業、市民社会が持ち寄った海洋環境の改善に向けての行動を起こす仕組みづくりが話し合われた。日本からは、JAMSTEC(海洋開発機構)やアジア太平洋3R推進フォーラムの取り組みなどが持ち込まれた。
この会議には、さかなクン(さかなの帽子でおなじみのあの“さかなクン”)が、プラスチック廃棄物により海が危機的状況にあることと、彼がとるアクションについてのビデオメッセージが寄せられている。(メッセージは、ネットで視聴可)


▼2017年12月/中国

12月末、中国が主として生活由来の廃プラスチックの輸入を禁止
日本の2017年の廃プラスチックの輸出は143万トン。中国の輸入禁止をうけて日本は、翌年の輸出先を、タイ、マレーシア、ベトナム、台湾に変更した。
中国はペレットについては禁止していなかったので、その輸出は継続された。


▼2018年6月8~9日/G7サミット

カナダで開催された先進国首脳会議(G7サミット)で、「海洋プラスチック憲章」が採択された。
海洋プラスチック汚染の対策として、使い捨てプラスチックの使用量を削減するなど世界各国に具体的な対応を促すもの。
日本は、アメリカと共に署名を拒否。(!?) 数値目標が義務的・期限付きであり、産業界との調整時間不足のためと、環境省は拒否の理由を説明。
しかし、使い捨てプラスチック削減の問題は、1年前の海洋会議ですでに提案されている問題で、その後の1年間、企業に対してどういう働きかけをしてきたのか、その経緯については説明されていない。


▼2018年6月~11月/日本

環境省にプラスチック資源小委員会を設置することを閣議決定。
 (やっと?)
 

▼2018年6月末/国連

国連環境計画(UNEP)が、世界のプラごみ対策状況の調査報告をまとめた。 
それによると、使い捨てプラスチック製品の生産を禁止したり、使用時に課金するなどの規制を導入済みの国・地域が少なくとも67以上あると報告されている。


▼2018年8月~11月/日本

環境省プラスティック資源小委員会8月17日に第1回目を開催。
原則として毎月1回の開催。1回目、2回目は国内外の状況について話し合われた。
第3回会議(10月)に、プラスチック資源循環戦略素案が出た。
11月、パブリックコメント募集。


▼2018年10月/バリ島国際会議

エレンマッカーサー財団がインドネシアのバリ島で、国連環境計画(UNEP)の支援により国際会議「New Plastics Economy Global Commitment」を開催。
世界から290の企業・団体が参加した。コカコーラ、ペプシコ、ネスレ、ダノン、ユニリーバ、アムコア(包装資材)など、いずれもグローバルな事業展開をしているところで、それらが生産しているプラ容器は世界の20%を占めるという。
この会議では、下記のようなプラスチックごみ削減宣言を行った。署名各社は、1年半ごとに自社の実施目標を見直し、達成度を公表するという。

 ●不要なプラ容器削減や、使い捨てプラ製品を再利用型へ切り替える。
 ●プラスチック包装を、2025年までに100%再利用可能な素材に転換する。

この活動には、WWF(世界自然保護基金:世界最大規模の環境NGO )、世界経済フォーラム、
消費財フォーラム(世界の消費財小売り及びメーカーのCEO主導組織)のほか、40の大学・研究機関、学者らも支援を表明している。
 また、欧州投資銀行、BNPパリバ証券(本部:パリ)、ING(オランダ)など15以上の金融機関も参加。プラスチック対策の循環経済を作り出すための支援を約束しているという。

残念ながら、この宣言に日本企業は一つも参加していない


▼2019年3月/EU

欧州連合(EU)の欧州議会で、ヨーロッパの海岸で最も多く見つかる使い捨てプラスチック製品10品目を、2021年までに禁止することを可決。また2025年までにペットボトルの90%をリサイクルするという目標も含まれている。

 

▼2019年5月/インド

5月に行われた選挙で圧勝し再選されたインドのモディ首相は、2022年までにすべての使い捨てプラスチックを排除すると宣言。


▼2019年6月/カナダ

カナダのトルドー首相は6月10日、2021年までに使い捨てプラスティックの使用を禁止すると宣言。まだ詳細は明らかになっていないが、他にもプラスチック汚染の軽減策を講じると発表した。
下記は、このとき語ったトルドー首相の言葉。

皆さんも記事を読んだり、写真を見たりしたことがあると思いますが、正直父親として子どもたちに説明することは難しいです。あなたはどう説明しますか。世界中の海岸にクジラの死体が打ち上げられ、胃の中にビニール袋がぎっしり詰まっていることを・・・
私はどう説明したらよいのでしょう。太平洋の深層部までプラスチックが存在することを・・・


▼2019年6月/日本

6月3日、環境省がレジ袋有料化の法制を制定する考えを発表。
6月15日、経済産業省が、2020年4月1日よりレジ袋の無料配布禁止を目指すことを発表。


   ・・・・・   ・・・・・   ・・・・・

 
日本は、プラごみ対策ではまさに「周回遅れ」。
その場しのぎの対応しかしてきていないことがよくわかる。
問題の深刻さをとらえていない、今がよければよいのか、自分たちがよければよいのか。
日本国民であることが情けなくなってきた。

元気を出さねば・・・


 
 

 

 

 








  


 




 

2019年6月26日水曜日

54 どうする、“プラごみ大国”日本! ①

 

プラごみ受け入れ国からの怒りの声


 米国、カナダ、日本、オーストラリアなどから汚染プラごみを送り付けられたマレーシアやフィリピンから、怒りの声が上がった。

 プラごみの中には、おむつなどの生活ごみまで入っていたという。フィリピンやマレーシアは、汚染プラごみを国々に送り返すと言っている。当然だろう。
 送ったのは業者であって国ではないと突っぱねていたカナダは、フィリピンのドゥテルテ大統領からの強い抗議を受けて引き取りを受け入れるとともに、6月末に2021年までに使い捨てプラスティックを禁止すると発表した。

 では日本はどうする?
 
 日本は世界第2のプラごみ大国だ。(1位はもちろんアメリカ)
 国連環境計画(UNEP)の報告によれば、日本が1年間に出すプラごみは一人あたり32㎏、全体量にして約400万トンである。リサイクル率84%(残りは焼却)と言いながら、そのうちの半分は他国への輸出だった。
 2016年度の日本のプラごみ輸出量は約153万トン。そのうちの約80万トンを中国、約50万トンを香港に輸出している。香港は最終的に中国に輸出しているので、合計130万トン、つまりプラごみの85%を中国に輸出していたと言ってよい。

 中国は世界から1500万トンの廃プラスチックを輸入し、ペレットにしたのち衣類などに加工していたのだが、廃プラの中に汚染ゴミが混入していてリサイクルの過程で環境汚染が深刻化したため、2017年12月末に外国ごみの輸入を禁止した。そして、中国に代わってプラごみ受け入れ国となったのがフィリピンやマレーシアなど東南アジアの国々だった。
 その国々から抗議の声が上がったのだ。

 日本はどうする?
 プラごみ輸出大国から、そして、そもそものプラごみ大国からどう脱却するのか?


レジ袋有料化


 日本は2020年から、プラ製レジ袋の有償化の方針を出した。
 6月3日に環境省が、無償配布を法令で禁止する考えを発表し、6月15日に経済産業省が来年4月1日からレジ袋有料義務化の実施をめざすと表明した。
 
 なんと控えめな対策・・・
 
 日本で1年間に使われるレジ袋は、重さにして30万2千トンという。
 プラごみ全体量400万トンの7.5%に過ぎない。
 しかも禁止ではなく、有料化。どれほど減らすことができるのか。

 ペットボトルを町中の自動販売機で売り、
 ファストフード店やスーパーでは使い捨て容器が氾濫し、
 野菜や果物などの生鮮食品までプラスチック包装する日本だ。
 もっと根本的な対策を取る必要がある。
 少なくともその方向を出してほしかった。

 プラごみをつくらぬために、製造・流通の方法への新しい知恵が必要だと思う。
 自然に帰る包装材もこれからの研究課題になるだろう。
 そうした研究は、新しい産業の発展にきっとつながっていくはずだ。
 もっと国を挙げての積極的な対策が取られることを期待したい。

 とりあえず我が家は脱レジ袋、脱ペットボトル。マイバッグ、米ボトル持参の生活。

   ・・・・・  ・・・・・  ・・・・・

 もちろん、レジ袋有料化はやらないよりはやった方がよい。
 CO2削減にもつながるのだから。

 世論調査では「レジ袋が有料になったらもらわない」という人の割合は70%であるという。
 1年間に使われるレジ袋の枚数は、最も多く使われているLサイズの袋(6.8g)に換算すると、なんと500億枚くらいになる。
 もしこの対策で、レジ袋使用が70%減になるとしたら、350億枚減らせることになる。
 CO2排出量は33g/1枚なので、35,000,000,000×33=1,155,000,000,000(g)
 つまり、1,155,000トン削減できる。

 (これは、東急世田谷線が自然エネルギー化で1年間に減らす量1263トンの915倍)

2019年5月19日日曜日

53 未来のための金曜日

 46稿で、世界の若者の「地球温暖化対策要求デモ」について書きました。
スウェーデンの高校生グレン・トゥンベリさんが始めたストライキから始まった、世界的な若者の運動です。その運動のことを「未来のための金曜日」と呼んでいることを、新聞で知りました。
 私も、毎週金曜日、それを思い出して、温暖化防止のための行動をしようと思います。

 この日は、電動自転車には乗りません。歩いていきます。
 (我が家は、自動車はもう手放してしまって、ありません。)
 テレビを見る時間を1時間(2時間でも3時間でも)減らす。見なければ最高。
 お風呂は沸かさず、シャワーにする。できるだけエネルギーを使わず過ごす。
 自分ができれば、家族も誘って行う。
 家族が仲間に入れば、お隣さんも、そして友人も誘う。
 金曜日ができれば、もう一日増やす。
 私たちの子の世代、孫の世代、そしてずっと先の未来まで、地球を安心して住める星にしておきたい。

 「隣人愛より尊いものは、未来に生まれてくる者たちのための愛、遠人愛である。」
 哲学者ニーチェが『ツァラトゥストラはかく語りき』の中に書いた言葉です。難しいことばかり言う人だと思っていましたが、この活動にぴったりの言葉を残してくれていました。
 地球は今、隣人愛、同朋愛であふれかえっています。それらは戦争やテロさえ起こす原因となっています。「〇〇ファースト」もその一つでしょう。
 日本は、それに同調することなく「遠人愛」を選択してほしいものです